- 転倒予防 面白ゼミナール
- 2021.12.08
米国のプロ野球大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスに所属する投打二刀流で大活躍の大谷翔平選手(27歳、右投げ左打ち、岩手県奥州市出身、193㎝)。その野球選手として卓抜したプレーに対しての高い評価は無論ですが、練習中や試合の合間に見せるちょっとした行動や、自然な振る舞い、表情にも一流スポーツマンとしての矜持を感じさせてくれます。
大谷選手は、ベンチの中やフィールド、通路などに落ちているゴミをさり気なく拾い、ユニフォームのお尻のポケットに仕舞い込むという行動を続けています。「ゴミがあるために滑って転んだりする人も居る。そういうつまらないケガを自分もですけど、周りの人にもしてほしくない」と語っています。元々は、花巻東高校時代に、佐々木洋監督から「ゴミを拾うことで運を拾う」と教えられたことから始めた行為で、それを綿々と続けているとのことです。
10月10日の「転倒予防の日」に、厚生労働省や消費者庁が日本転倒予防学会と協働で社会に発信した啓発チラシ・ポスターには、学会の提唱する予防標語の一つ「ぬ・か・づけ」が引用されています。
「ぬれているところ、かいだん段差、片づけていないところは、転びやすい」を示しています。スポーツ施設、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売店、デパートや商業ビル、駅、ホテル、劇場、学校、病院、介護施設、さらには道路など、あらゆる場所の床面や地面に落ちているゴミを歩きながら踏んだことで滑って転倒をし、骨折したり頭を打ったりしてケガをする例は枚挙にいとまがありません。
ゴミが落ちているのを見て、そのまま通り過ぎるのではなく、時には「ひょっとして、誰かがこれを踏みつけて転び、脚の骨を折ったり、頭を打ち付けて救急車で運ばれるようなことが起きるかもしれない」と考えて、「オオタニさん」と同じような、さり気ない振る舞いをしてみましょう。もしかしたら「運」も拾うことになるかもしれません。