本連載のコラムの♯02では、「人は転ぶもの-五木寛之さん-」を執筆しています。再び、五木寛之さんを話題にするのは、私の著書『あの人も転んだ この人も転んだ -転倒噺と予防川柳-』(2021年2月22日刊、三恵社)のご縁によるものです。

 本書は、「古今東西の著名人にみる転倒事例と転倒予防川柳から学ぶ転ばぬ先の知恵」と帯に示されているように、次のような構成でまとめています。

 第1章 歴史の中の転倒事例に学ぶ

 第2章 現代社会の転倒事例に学ぶ

 第3章 川柳に学ぶ

 第4章 ぬ・か・づけ転倒予防法のすすめ

 付 録 転倒予防いろはかるた
     転倒予防の合言葉「ぬ・か・づけ」の歌

 実際の転倒・転落事例について、その背景と要因、メカニズムを推測・分析することで予防への知恵を示すと共に、言葉の力で転倒予防を図ろうという意図で執筆しました。

 秋田県のブロック紙である秋田さきがけ新報の2021年6月9日(土)付けの五木寛之さんの連載「新・地図のない旅」に「人は転ぶ動物である」と題したエッセーが掲載されています。その中に私の著書について「『あの人も転んだ この人も転んだ』(武藤芳照著)という面白い本があって、いろんな有名人の転んだ例が紹介してある」として、フィデル・カストロ、ボリス・エリツィン、ジャイアント馬場、五月みどりらの事例・エピソードを引用し、「転倒の例が数多く紹介されて興味深い」と語っていただいています。

 今、明かせば、本書の制作段階では、2020年10月の日本転倒予防学会での市民公開講座で筆者が五木寛之さんの特別講演の前座を務め、それを面白がっていただき週刊誌の連載エッセー(『週刊新潮』2020年10月29日号、「生き抜くヒント」)でも紹介していただいたご縁から、帯に掲載する推薦文を五木寛之さんにお願いできないかと検討したことがありました。

 他の出版社等との関係もあり、それは実現しなかったのですが、この新聞記事は、帯の推薦文以上の分量と高く評価していただいていることが表現されており、誠に有り難く、心より感謝しています。

 ちなみに、この五木寛之さんのエッセーを読んで、作家の内館うちだて牧子さん(秋田市出身)が同じく魁新報の連載エッセー「明日も花まるっ!」(2021年6月20日付)で、拙著について触れてくださいました。「五木さんは『あの人も転んだ この人も転んだ』(武藤芳照著)という本を紹介している、爆笑もののタイトルだが……」と。さらに、内館牧子さん自身の転倒経験なども紹介しつつ、転倒予防には、「何にでもつかまること」と結んでいます。

 実は、拙著の中に、内館さんが2017年4月、桜を見上げてつまずき足の複数骨折をきたしたというエピソードを記載しています。歩きながら頭上の景色を眺めるとい二重課題による転倒事例の一つでしょう。

 転倒は、いつでも誰でもどこでも起こり得る日常的な事故です。そして、「人は転ぶ動物である」ことを銘記して、「一歩ずつ慎重に足を運びましょう」(五木寛之)。

 

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