6月18日、ジョー・バイデン米国大統領(79)が、デラウェア州リボボスビーチの別荘近くで、妻ジルさんとサイクリング中(グレーの半袖・半ズボンにヘルメットを装着)、自転車を止めて降りる際に、バランスを崩して横向けに転倒しました。

アメリカの大統領のイラスト2 幸い、すぐに立ち上がり、「大丈夫だ!」と語ったようで、その日の午後には、教会の礼拝に出席後、市民や報道陣の前で飛び跳ねガッツポーズをして、からだにケガ・故障のないことをアピールしていたようです。

 米国大統領としては、最高齢のバイデン氏、日本で言えば傘寿(さんじゅ)の祝いの年代ですから、その体力・健康状態が世界中の関心を呼ぶのは当然でしょう。

 実は、バイデン氏、2020年11月には、米大統領選で勝利を確実にした時期、犬と遊んでいて足を滑らせ、右足首の骨折をしたこともあり、「滑って転んだ」状態をきたしたようです。

 一人の後期高齢者(75歳以上)の転倒であれば、本人と家族の生活、働いていれば職場への影響にとどまるのみですが、大国の大統領となれば、国と社会に与える影響は甚大です。

 かつて、ロシアのエリツィン大統領が、公衆の面前でよろめいて危うく転びそうになったことがありました(1989年秋のウズベキスタン訪問時と1999年6月のドイツ・ケルン空港に降り立った際のタラップで)。

 当時の週刊誌には、「あっちでグラッ、こっちでヨロッ!」と揶揄(やゆ)されていました。

 同年12月、モスクワでのベラルーシとの連邦国家創設条約調印式での演説中、原稿を見ていても話が乱れに乱れ、よろめいて周囲をあわてさせました。その時の写真には、エリツィン氏の左後方に現プーチン大統領が座り、硬く、鋭い視線を送っている姿が映っています。そして2000年を迎える直前に、エリツィン大統領は退陣となりました。虚血性心疾患の手術を受け、全身の動脈硬化が進んでいたと思われるエリツィン氏。転倒リスクの高い大統領では国が転ぶリスクをもたらすと、本人及び周囲の側近が判断したのでしょう。

 

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