- 転倒予防 面白ゼミナール
- 2021.04.15
#09『爪ケアで転倒予防』
1月20日に発刊された『医療と介護のための爪のケア』(武藤芳照監修、高山かおる、杉原 鼓、渡邉 洋 編著、新興医学出版社)は、医療現場、介護現場に従事する医師、看護師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士など、様々な専門職の人々に、正しい爪のケアの啓発を図り、一人ひとりの高齢者の健康増進、疾病・障害予防、転倒予防、QOLの向上に結びつけようという目的で編集・制作されました。
その刊行記念のオンライン・シンポジウム『医療と介護のための爪のケア』が、去る4月4日(日)に開催され、全国から爪ケアや転倒予防に関わる多職種の専門職の方々が視聴しました。
本の表紙・体裁と同じくピンク系の壁紙を背にした座長(武藤・高山かおる医師)とシンポジスト(今井亜希子さん/皮膚科医、菅野智美さん/看護師、黒田恵美子さん/健康運動指導士、大場マッキー広美さん/介護福祉士・フットヘルパー、リーヒェ・カーステンさん/ドイツの国家資格「整形外科靴」マイスター及びサポーター役の奥様・大沼幸江さん)が和やかに笑顔でかつ実り多い発表や討論を行いました。
とりわけ、高齢者では足の痛みは下肢の機能障害・転倒リスクと関連し、爪ケアにより、自覚症状の緩和のみならず、運動機能の改善、ひいては転倒予防にも結びつく。
「足の爪は小さな運動器である」というお話(今井亜希子医師)は、印象的でした。他のシンポジストも長年の医療・介護現場に従事した経験と知識を基盤にした一つひとつの発言に重みがあり、視聴者にとっても座長、シンポジストにとっても、楽しく有意義なシンポジウムでした。
元々は、この書籍を企画・制作するに当たり、皮膚科医であり、長年爪ケアに医師として関わってきた高山かおるさんに参画していただこうと、日本足育
プロジェクト協会理事長の玉島麻理さんのご紹介で済生会川口総合病院を訪れ、初めて高山かおるさんを尋ね、その帰路に新興医学出版社の林峰子社長に電話して、出版を取りつけたことから、本書の編集作業が本格化したものです。「人生は縁と運、そして恩」を改めて実感した書籍発刊と記念シンポジウムとなりました。
(2021.4.15)