<武藤所長 著作を語る>

第61作『転倒予防医学百科』日本医事新報社、2008年

・編著: 武藤芳照(東京大学大学院教授)
・発行:日本医事新報社
・発刊:2008年8月1日
・サイズ:B5版、354p
・ISBN :978-4-7849-6173-3

 

 

 本書の基盤となったのは、『転倒予防教室 ―転倒予防への医学的対応―』日本医事新報社、初版1999年、第2版、2002年)と転倒予防医学研究会(2004年発足)である。

 その第3版は、それらの内容をさらに広げて、まさしく「百科」(もろもろの科目、あらゆる学科:『広辞苑』より)として、新たに企画した。

 地域在住高齢者、病院内の疾病・障害のある高齢者、介護・福祉施設に入所する虚弱高齢者、認知症のある高齢者など。そして、未来を支え動かすはずの子どもの転倒予防。各場面での転倒の実態とリスク要因、予防的介入の方法、効果と限界を率直に提示し合い、知識と技術と経験を共有することを目指して編集・執筆された。

 本書は、以下の4つの内容で構成されており、執筆者は合計88名に及ぶ。

1.理論編 全33項目
2.実践編 全24項目
3.資料編 全5項目
4.コラム 4個

 〔転倒予防7か条〕や〔ぬ・か・づけ〕の標語の意図、転倒予防医学研究会(世話人代表:武藤芳照、事務局:芦田由可里、2004年4月発足)の「転倒予防大賞」「転倒予防指導者養成講座」「転倒予防電話相談119」「推奨品」、さらには「歴史・美術から見た転倒」なども詳細に記載されており、日本転倒予防学会設立(2014年4月)以前の転倒予防に関わる学術・実践活動の歴史的資料としての意義もある書となっている。

 

〔転倒予防7か条〕


1-歳々年々人同じからず

2-転倒は結果である

3-片足立ちを意識する

4-転ばぬ先の杖

5-無理なく楽しく30年

6-命の水を大切に(年寄り冷水)

7-転んでも起きればいいや         

2006年6月1日
転倒予防医学研究会 世話人代表 
武藤 芳照


 

 

執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
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