昭和50(1975)年3月に大学医学部を卒業して、来年2025年で50年を迎える。それを記念して、母校に記念樹を植える、写真集を作成する、同期会を開催するなどの企画の連絡が順次やってくる。そうしたお世話をしてくれる仲間が居ることは誠にありがたいことだと思う。

 来年2025年は、「昭和100年」に相当する。「昭和的・・」「昭和の・・」が、色々な生活文化やファッション、習慣・行事などを何か揶揄する表現として使われることが多い昨今だが、同窓会や同期会、クラス会など、その時代を共有した友・仲間たちとの集いは楽しいものだ。

 同窓会やクラス会を素材にした市民川柳にも、傑作が多い。

「マドンナに 会わなきゃ良かった 同窓会」俳句を詠んでいる男性のイラスト

「源氏から 光の君に変わりし 同窓会」

「クラス会 みんなニコニコ 名前出ず」

「クラス会 終わって杖の 探し合い」
(「転倒予防川柳」2019年大賞、愛知県P.Nさごじょう)

「お辞儀して 共によろける クラス会」
(第9回シルバー川柳入選作、東京都、石岡和子さん)

「クラス会 それぞれ持病の 専門医」
第16回シルバー川柳入選作、北海道、荒木貞一さん)など。

 クラス会では、年齢が長ずるにつれて、お互いの老化現象や健康状態・持病についての話題が多くなるものだ。まさしく各診療科の専門医のように、その病気について、とうとうと語る者も少なくない。

 あるクラス会での実話。

お年寄りの会議のイラストA氏:「お前は幾つだ?」
B氏:「俺は、○○だ」
C氏:「私は、X X
だ」。

皆同じ年齢の集まりのはずなのに、よく聞いてみると、お互いに痛風持ちで、「血液検査での尿酸値が幾つか?」を語り合っていた。

 早々と白内障の手術を受けた友人が、誇らしげに一言。「世の中、随分と明るくなった」などなど。

 「人生100年時代」とまで表現されるこの長寿社会。元気で長生きしたいと、誰もが思い、その家族もそう願っている。そのために「紅麹サプリ事件」に象徴されるように、機能性表示食品特定保健用食品(いわゆる「トクホ」)に頼ったりする高齢者が増え続けているのだろう。

 健康のために皇居の周りを毎日走り、雨の日も風の日も続け、風邪・睡眠不足・二日酔いなど体調が悪くても、決して休まないある中年男性が、テレビのインタビューに答えて、「健康のためなら死んでもいい!」と言ったとか言わなかったとか。

 健康つくりのコツは、自分らしい生活習慣(良くからだを動かし、バランスの良い食事を心がけ、こまめに水を飲み、よく眠る)「コツコツ」続けることだと思う。


執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
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