Dr.ムトーのショート・コラ

 

#29『雲は龍に従い


 身体教育医学研究所うんなん(北湯口 純所長)は、島根県雲南市にある市立の研究所だ。2006年4月に設立され、今年丁度20周年を迎える(10月23日〈金〉に記念事業が行われる)。

 武藤は、設立準備委員会の委員長職から引き続き、この研究所運営委員長を務めている。「生涯健康でいきいきと暮らす、小児期からの健康づくり」を基本理念として、長野県東御 とうみ市にある姉妹研究所の身体教育医学研究所(1999年設立、岡田真平所長)及び当リハ総研と緊密な連携を取りつつ、「健やかなからだを育む」各種の事業・活動を真摯に精力的に展開しており、この2月には、優れた活動が評価され、厚生労働大臣表彰の栄誉に輝いた。
 この研究所の一角に、「雲従龍」したためられた木板が掲げられている。研究所設立に尽力され、書道家としても知られていた故・周藤すとう寛洲かんしゅう雲南市初代健康福祉部長から寄贈された作品だ。中国の古典『易教』にある「雲従龍風従虎」(雲は龍に従い風は虎に従う)を原典とする言葉という。物事はそれぞれ相似たものが一緒になったり、一緒になろうとしてうまくいくものだの意味とされる。
 研究所うんなんは、まさしくその言葉のように同じ志の者たちが全国から集い、互いに切磋琢磨して知恵と力と技を磨き高め合い、今の安定した運営に至っている。また、縁結びで知られる出雲大社を近くに有し、「人生は縁と運、そして恩」(武藤の自作の座右の銘)を銘記して、次から次へと人のネットワークを広げることによって、さらに広がりと高みを目指している。この20年あまり、この研究所の存在によって、数えきれないほど多くの出会いが生まれてきたことを喜びたいと思う。

 


執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
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