<武藤所長 著作を語る>

第47作『からだの物語シリーズ(全4巻)』学習研究社, 2001年

・監修:武藤芳照
・発行:学習研究社
・発行:2002年
・サイズ:B5判64P

 本書の目的は、東京大学教育学部の身体教育学の教授として行っていた、学部生への講義「からだの理(ことわり)」の参考図書を学生たちと制作することであった。
 人のからだは実によくできていて、そのことを知るのは面白く楽しいことだ、ということを子どもたちに知らせるために、まんがを活用して学習図書としてまとめたものである。ある日の午前中、1限の授業の際に、「この企画に参画したい者は、授業の後、小会議室に集合」と声掛けをして部屋で待っていたが、内心「誰も来なかったどうしよう」とも思っていた。幸いにも下記の5名の学部学生たちがドアを開けて入室してきた。身体教育学コースの学生に加えて、比較教育社会学の女子学生の顔もあり、嬉しかったことを今でも覚えている。

宍倉 大介(東京大学教育学部生 / 身体教育学)
関  巌 (東京大学教育学部生 / 身体教育学)
水流 陽子(東京大学教育学部生 / 比較教育社会学)
中澤 篤史(東京大学教育学部生 / 身体教育学)
野添 浩士(東京大学教育学部生 / 身体教育学)

 作業途中から、小田島由生子(東京大学教育学部生 / 身体教育学)もさらに加わり、合計6名(男子4名、女子2名)の学生たちと、苦闘の構成・執筆期間を経て、予定よりも大幅に遅れはしたが、4冊の図書として上梓した。当時の学生であった、中澤篤史君は、現在スポーツ社会学の研究者(早稲田大学 スポーツ科学部・スポーツ科学研究科 教授)となり、野添浩士君は、東京大学の職員として活躍している。
 執筆協力の顔ぶれを改めて見ると、当時の研究仲間やスタッフの献身的な支援・協力の様子が伺える。

 執筆協力者
  斎藤 昇  (神奈川県横浜市立中川西小学校校長)
  太田 美穂 (東京大学身体教育学講座研究員)
  黒柳 律雄 (東京厚生年金病院整形外科部長)
  石川 知志 (東京厚生年金病院整形外科医長)
  伊東 三吾 (都立広尾病院小児科部長)
  原 光彦  (都立広尾病院小児科医長)
  大庭 祥子 (東京厚生年金病院歯科口腔外科医長)
  加藤 秋成 (加藤眼科医院院長)
  中西 和仁 (中西耳鼻咽喉科医院院長)
  遠藤 朝彦 (東京慈恵医科大学耳鼻咽喉科)
  南光 弘子 (東京厚生年金病院皮膚科部長)
  池田 美智子(東京厚生年金病院皮膚科医長)
  高橋 敏  (神奈川県横浜市立桜丘高等学校教諭)
  松崎 政三 (東京厚生年金病院栄養部長)
  岡部 綱好 (東京消防庁本郷消防署警防課長)
  楠 文子  (東京大学教育学部事務補佐)

 この4冊の学習図書は、実は今も時折、見開いて活用し、市民向けの講演時の質問のネタなどにしている。例えば、次のような内容である。

〔1. 血液〕
 5.どうして血は赤いの?
 28.魚の赤身と白身の違いは?

〔2. 骨〕
 3.骨って全部でいくつあるの?
 10.軟骨って、なに?

〔3. 皮ふ〕
 10.「鳥はだが立つ」って、どういうこと?
 11.つめは骨なの、皮ふなの?

〔4. 目・耳・鼻・口〕
 2.目って、カメラみたいなの?
 13.耳あかは、どうしてできるの?
 18.鼻血がすぐ出るのは、なぜ?
 25.歯はどうして生えかわるの?

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