- 著作を語る
- 2022.04.13
<武藤所長 著作を語る>
#38『転倒予防教室 -転倒予防への医学的対応―』日本医事新報社、1999年
・編著:武藤芳照、黒栁律雄、上野勝則、太田美穂
・発行:日本医事新報社
・発刊:1999年12月1日
・サイズ:B5判・190P
・ISBN : 978-4784961719
2022年4月1日より、一般社団法人日本転倒予防学会(萩野 浩代表理事)が本格的に稼働し始め、前身の転倒予防医学研究会(2004年発足)、任意団体の日本転倒予防学会(2014年発足、武藤芳照理事長)の活動を基盤に、さらなる充実・発展が期待されている。
そして、転倒予防の学術的・実践的源流となったのが、1997(平成9)年12月1日に旧東京厚生年金病院(現JCHO東京新宿メディカルセンター)に誕生した日本初の「転倒予防教室」である。
島根県吉田村、長野県北御牧村での厚生省長寿科学総合研究事業の班研究(主任研究者:杉岡洋一 元九州大学総長)による疫学調査の結果から、高齢者の転倒を生活習慣病の一つとしてとらえ、それならば運動・生活指導により転倒・骨折の予防に結びつけられるという理論構築をして、多職種連携で総合病院の中に創設したものである。
そして、その開設からわずか2年目に「転倒予防教室」のシステムとその基礎理論、内容・方法、人員、各専門職の役割と機能、効果と課題等を網羅して編集・製作したのが本書である。
目次・構成は下記の通り。
Ⅰ 転倒予防の医学的基礎
1.中高年者の転倒と身体特性との関連
2.中高年者の転倒の実態 ―どのようにころぶのか―
3.転倒予防への医学的対応
Ⅱ 転倒予防教室
1.教室の成り立ち
2.健康診断、身体機能測定
3.運動指導
4.総合評価・指導
5.再会教室
6.教室参加者の特性
7.効果
Ⅲ 資料
1.楽しむ運動プログラム
2.筋力トレーニング
3.ストレッチング
4.バランス訓練
5.必要物品、測定機器、各種書式
6.学術発表・論文実績
本書表紙の「転倒予防教室」の文字デザインにより、その名称を特許庁の登録商標とし、この構想がこの研究実践グループの知的財産であることの証としたことや、序文には次のように記述して、アピールしたことなども懐かしい記憶となっている。
「コ」の本を作り上げるまでに…
「ロ」ンドンのキングスカレッジの転倒外来…
「バ」スのステップを昇降する場面…
「ナ」ぜ人は転ぶのか…?
「イ」(医)学、医療は確かな科学的基礎…