<武藤所長 著作を語る>

#38『転倒予防教室 -転倒予防への医学的対応―』日本医事新報社1999年


・編著:武藤芳照、黒栁律雄、上野勝則、太田美穂
・発行:日本医事新報社
・発刊:1999年12月1日
・サイズ:B5判・190P
・ISBN ‏ : ‎ 978-4784961719

 

 

 

 

 

  2022年4月1日より、一般社団法人日本転倒予防学会萩野 浩代表理事)が本格的に稼働し始め、前身の転倒予防医学研究会(2004年発足)、任意団体の日本転倒予防学会(2014年発足、武藤芳照理事長)の活動を基盤に、さらなる充実・発展が期待されている。

 そして、転倒予防の学術的・実践的源流となったのが、1997(平成9)年12月1日に旧東京厚生年金病院(現JCHO東京新宿メディカルセンター)に誕生した日本初の「転倒予防教室」である。

 島根県吉田村長野県北御牧村での厚生省長寿科学総合研究事業の班研究(主任研究者:杉岡洋一 元九州大学総長)による疫学調査の結果から、高齢者の転倒を生活習慣病の一つとしてとらえ、それならば運動・生活指導により転倒・骨折の予防に結びつけられるという理論構築をして、多職種連携で総合病院の中に創設したものである。

 そして、その開設からわずか2年目に「転倒予防教室」のシステムとその基礎理論、内容・方法、人員、各専門職の役割と機能、効果と課題等を網羅して編集・製作したのが本書である。

 

目次・構成は下記の通り。


 Ⅰ 転倒予防の医学的基礎

   1.中高年者の転倒と身体特性との関連

   2.中高年者の転倒の実態 ―どのようにころぶのか―

   3.転倒予防への医学的対応

 Ⅱ 転倒予防教室

   1.教室の成り立ち

   2.健康診断、身体機能測定

   3.運動指導

   4.総合評価・指導

   5.再会教室

   6.教室参加者の特性

   7.効果

 Ⅲ 資料

   1.楽しむ運動プログラム

   2.筋力トレーニング

   3.ストレッチング

   4.バランス訓練

   5.必要物品、測定機器、各種書式

   6.学術発表・論文実績


 

 本書表紙の「転倒予防教室」の文字デザインにより、その名称を特許庁の登録商標とし、この構想がこの研究実践グループの知的財産であることの証としたことや、序文には次のように記述して、アピールしたことなども懐かしい記憶となっている。

 

「コ」の本を作り上げるまでに…

「ロ」ンドンのキングスカレッジの転倒外来…

「バ」スのステップを昇降する場面…

「ナ」ぜ人は転ぶのか…?

「イ」(医)学、医療は確かな科学的基礎…

 

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