- 著作を語る
- 2020.11.05
<武藤所長 著作を語る>
第3作『ドミンゲス博士のスポーツ医学百科』(有)ブックハウス・エイチディ
・1982年9月22日発刊
・訳編 月刊『トレーニング・ジャーナル』編集部
・監訳 武藤芳照
・発行 (有)ブックハウス・エイチディ
・B5判 182 頁 並製 本文横組13級 ・定価2,600円(+税)
1982年、名古屋大学大学院医学研究科の整形外科学専攻の大学院生2年の頃、宮下充正東京大学助教授(現・東京大学名誉教授)と共に、スェーデン・ストックホルムで開催された世界水泳医学会議に参加し、「バタフライ選手の腰部障害」を発表した。何せ初めての国際学会での英語による発表で、随分と準備に時間をかけ、緊張して臨んだ演壇だった。
何とか発表を終えたところで、質問に立った米国の整形外科医がRichard H. Dominguezリチャード・H・ドミンゲス博士であった。
そして、彼の著作『The Complete Book of Sports Medicine』(Warner Books Inc, New York, U.S.A. 1979)を監訳したものが本書である。
「スポーツメディスンはスポーツ同様、ユニバーサル・ランゲッジ(世界共通語)」と著者が「日本語版の序」に記しているが、世界的現象となっているスポーツ外傷・障害について、このガイドブックでより深く理解してもらいたいという著者の願いを具現化するよう、わかりやすく、親しみのわく形式と構成で制作されたものだ。
随所に編集部注や監訳者注が散りばめられているのは、その意図による工夫だ。
原書と訳文とを読み比べつつ、最終原稿を仕上げていく作業は、なかなか容易ではなかったが、「百科」の言葉にあるように、スポーツ外傷・障害のみにとどまらず、スポーツ医学に関わる幅広い事柄が、様々な装い(「百花」に通ず)で表現されている。
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