- 健康医学 面白ゼミナール
- 2026.03.11
雷電為右衛門(1825年、59歳没)は、天下無双の相撲の力士で、その巨体(身長197センチ、体重172キロ)と圧倒的な強さ(勝率 .962)で、知られる。生家は長野県小県郡大石村(現在の東御市)であり、私が名誉所長を務める(公財)身体教育医学研究所が所在する地だ。研究所とケアポートみまきの活動を通して、この街とは、旧北御牧村時代から30年以上にわたる長いご縁があり、先般、2月21日(土)に開かれた「どんどこ!紙相撲大会雷電東御場所」に伺った。同研究所(岡田真平所長)が作成した「二代目武藤山」(昨年に続いて連続出場)を率いて臨んだ土俵だ。
紙相撲は、元々は子どもの遊びの一種で、画用紙などで作った力士を模した二つ折りの人形を台の上に載せて、振動させることで相撲の取り組みに似た動きをさせて勝敗を競うものだ。
巨大紙相撲の力士は、厚さ8ミリの段ボールを素材にして、雷電の体格と同じ197センチの身長であり、普通の男性の体格よりもはるかに大きい。板で作られた土俵の周りに、各部屋のスタッフ15名が座して、土俵を叩いて争う方式だ。
相撲は、一言で言えば、相手を転倒させるか、土俵から出すことで成立する日本の伝統的な格技だ。「転ばし合い」と言えるかもしれない。
25の力士には、「東御ぶどう丸」、「かたはまる子」、「ヘビーインパクト」など、ウィットにとんだ四股名が並ぶ。地元の応援団の「谷町」(協賛企業等)は、60件を超え、地域に愛され支持されている行事であることを示す。
前年に続き、ねこの姿で描かれた「二代目武藤山」の得意技は、肉球突き出し、すりすり寄り切り、どすこい倒しだ。身体教育医学研究所の所員らに加えて、その子どもたちも加わり、「わいわい!」「どんどこ!」と、土俵を皆で全身の力を込めてたたき続けて4戦を勝負し、3勝1敗で最終的には、同率4位で終えた。
歴史に名を残した郷土の誇る力士に因んだこの行事に、350人ほどの老若男女が集い、皆が夢中になって競い、応援し、笑い、うまく勝てば両手をあげて喜び、負ければ肩を落として悔し涙を流し、喜怒哀楽が入りまじった地域の運動会と祭りと盆踊りが融合したような実に面白い相撲大会だった。
そこには、皆が一体となって、からだを動かし心を動かす光景が繰り広げられていた。これからの全国各地域での性・年代を超えた交流と健康づくりの事業のヒントが見えたように感じた。

「二代目武藤山」に稽古をつける武藤所長
執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
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