- 健康医学 面白ゼミナール
- 2026.01.20
創価大学落語研究会同士のお笑いコンビ、ナイツのボケ担当の塙宣之さん(当時46歳)が、2025年2月に、山梨県富士吉田市内で、夜間に歩いていて転倒し、顔面3か所の骨折をきたし手術していたと、自身で明らかにしていました。プライベートで当地を訪れ、夜間に食事を終えてレストランから車を止めていたコインパーキングに戻る際に、側溝で足を踏み外して転倒し、顔面を強打して受傷とのこと。術後は、順調に回復して、早期に仕事に復帰できたようです。
夜間の駐車場では、足元の車止めに気づかずにつまづいて転倒する例は、少なくありません。塙さんの場合には、側溝に気づかず、もしくは予測と違った状況であったために「落っこちた」結果になったのでしょう。駐車場では、自分の乗る車の方にまず意識と視線が集中して、つい足元の方に意識や視線が向かないことも要因です。

ナイツの師匠は、漫才師 内海桂子(2020年、97歳没。相方の好江死去後は、ピン芸人)です。実に面白く芸達者なプロであり、同時に「骨折のプロ」でもありました。83歳の時、東京駅の階段を降りる時に踏み外し、34段転がり落ちて手首を骨折。94歳の時、雨の日に、タクシーから自宅前で降りた直後、縁石につまづいて転倒し、大腿骨骨折。手術後、3か月で舞台復帰した直後に、再び転倒して骨折して腰椎の圧迫骨折。
度重なる手首・大腿骨・腰椎の骨折、まさしく「転倒のプロ」、「骨折のプロ」ともいえるほどのエピソードですが、その一方で、入院・手術・リハビリテーションを経て、その都度必ず舞台に復帰しているのは、「リハビリのプロ」ということもできるでしょう(拙著『あの人も転んだ この人も転んだ~転倒噺と予防川柳~』三恵社、2021年、pp56~58より引用)。
ナイツの塙さんも師匠の血を引いて、たくましく復帰し、また聴衆の笑いを生み出しているのはナイスです。まさに、今人気のハンバートハンバートの歌「笑ったり転んだり」の極みでした。
執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
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