2024.10.03
- Dr.ムトーのショート・コラム
- 2024.07.09
Dr.ムトーのショート・コラム
♯09『選挙と握手とテニス肘』
東京都知事選挙が終わり、現職三選が確定した。この間、主要候補者は都内を駆け巡り、多くの有権者らと握手をする光景が見られた。手を握り合うと、その人の熱量や気持ちを感じることができ、親愛・喜び・共感などが手を通して伝わる、万国共通の挨拶形式だろう。
昨今では「握手会」と称して、アイドルなどが宣伝活動の一環として、ファンと握手して交流を深めるというイベントも開かれ、多くのファンが長蛇の列をなして、握手を待ち続けることも少なくない。
選挙の候補者もアイドルも、握手し続けるのはとても大変な仕事のように思う。実際、ある選挙の男性立候補者が、毎日の選挙活動で数多くの住民と握手し続けた結果、いわゆる「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」をきたしてしまった事例もある。
つまり、テニスのストロークと同様に、肘を伸ばして手首を返す動作と同じような握手を繰り返すことで、前腕の筋肉の使い過ぎ症候群をきたすものだ。
テニス肘
予防と治療のポイントは、前腕伸筋群のストレッチング。是非、選挙運動中は、握手の合間に、候補者は、車の中でこのストレッチングを。
前腕伸筋群のストレッチング
執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
詳しいプロフィール
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