2024.09.25
- 著作を語る
- 2021.04.19
<武藤所長 著作を語る>
#09 『高齢者とスポーツ』東京大学出版会 1986年
・編集:宮下 充正 / 武藤 芳照
・発行:東京大学出版会・1986年12月01日発刊
・サイズ:四六判
・ページ数:270
・ISBN:978-4-13-053052-1
本書は、元々『21世紀高齢社会への対応(全3巻)』(編集代表 福武直
(1979年72歳没、社会学者)、東京大学出版会、1985年)、第1巻:高齢社会の構造と課題、第2巻:高齢社会への社会的対応、第3巻:高齢社会の保健と医療 の中で、高齢者のスポーツと健康に関わる内容を担当して、宮下充正教授(当時)と武藤(助教授)が執筆したことが契機となった。高齢者のスポーツに関わる総論(意義、体力、身体運動、トレーニング)と各論(運動処方、社会的動向、実践例、スポーツ障害とそのケア、マスターズスポーツ等)につき、当時の助手や若手研究者(海老原修、田畑泉、岩岡研典)、大学院学生(佐々岡潔、友吉由紀子)らと共に編集、構成、執筆して刊行した。
東京大学出版会の編集者・小野秀夫さんの細やかな配慮と下作業により、きわめて丁寧にこの書が作製されていったのを、今もよく記憶している。
宮下教授が「はじめに」で記しているように、「運動生理学やスポーツ医科学といった面からも、高齢者問題をとりあつかうことになった」一つの象徴的な書籍の編集・制作事業であった。表紙を飾ったのは、世界ベテランズ大会において、第3回大会以来、跳躍各種目に優勝・入賞を重ねていた「チャンピオンズ・ジャンパー」森田真積氏(1913年生まれ、当時72歳)の勇姿である。
それまで、主に子どもとスポーツの観点から、スポーツ医学に関わる著作を執筆・編集していたが、この書籍を皮切りに、高齢者のスポーツ医学の理論と実践への道が拓かれていったように思う。
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