#07「脚立に立つ」
「脚立」、脚が立つと書いて「きゃたつ」と読みます。コロナ禍の中、在宅の時間が増え、日頃なかなか目が届きにくいいえの中の高い箇所のちょっとした修繕や整理、掃除や取り替えなどをすることも多くなりました。また、年末の大掃除の時には、家中、一斉にきれいに整理、掃除することになり、庭木の剪定などを含めて高所の作業が行われます。そうした時に便利に使われるのが脚立です。
普段はどこかにしまわれていますが、取り出して広げ、その上に立って作業しますが、その途中でバランスを崩して脚立から落下してケガをする事故が少なくありません。時には落下して硬い床面やコンクリートに頭部をぶつけて重篤な事態をきたす例もあります。
脚立から落ちて大ケガをする事故の原因で特に注意しなければならないのは、脚立の使い方の間違いです。
1)置き方のまちがい
軟らかい地面、滑りやすい床面、凸凹の床面、傾斜面、段差のある床面などに置いた脚立に乗ってバランスを崩してしまう。
また、作業する箇所に対して、脚立をAの字の形で置き、そこに乗ってバランスを崩してしまう。
正しくは、作業する箇所側に脚立の一方の昇降面を置き、手前の対面側から上下して作業します。
2)乗って立つ位置と立ち方のまちがい
脚立の天板(元々狭く、立つための構造となっていない)の上に乗って作業するのは、ほんのちょっとした動きでバランスを崩して落ちやすいのです(実は筆者も以前は天板の上に乗って作業をしていた)。また、天板をまたいで作業したり、天板の上に座って作業することも、バランスを崩しやすく、まちがいです。
正しくは、適度な高さのハシゴ部分の踏み面に両足を置き、両方のスネの部分を天板の側面に密着させて、からだ全体が前方に傾く安定した姿勢を保つものです。
天井にぶら下がる電球や蛍光灯あるいは空調機のフィルターを取り替える、高い所にある収納してあるものを入れ替えたり、降ろす、煤払いなどの作業には脚立は便利です。ただし、その使い方をまちがえれば、思わぬ落下事故の危険性があり、大ケガをきたすのです。
あの時に、しっかり正しく脚立を使っていれば、もし・・たらなどと「たられば」の後悔をしないためにも、正しい知識に立脚した脚立の使用を心がけたいものです。
はしご・脚立・高所作業台など足場関連製品メーカー、長谷川工業株式会社さんのホームページに、安全な脚立の使い方の解説ページがありました。ぜひご参照ください。
(2021.1.7)