#01 「ふるえ〜るで転倒に注意」
乗るだけでからだを振動させて鍛えることを謳った家庭用フィットネス機器いわゆる「ブルブルマシン」が広がっている。器具上に立位で乗り、からだを振動させることで筋肉を刺激させて運動不足解消やダイエットに効果ありという謳い文句だ。
振動が予想以上に強く、乗るだけで気分が悪くなり「乗り物酔い」状態になったり、バランスを崩して前に転び、頭を強打する、脚の向こう脛が痛くなったりする例が消費者庁等に報告されている。転倒予防のために運動を、元々スポーツは苦手だから自宅で手軽にできるフィットネス器具でやってみたら転倒してしまった、という笑えない「笑い話」になってしまうリスクがある。
「簡単に効果が出る」「これだけで運動不足解消」「ダイエットに抜群」などの宣伝文句に踊らされて、次から次へと家庭用フィットネス器具を購入する人もあるが、運動不足解消もダイエット達成、転倒予防も一朝一夕ではあり得ない。地道にコツコツと一日一日、意識して、からだを動かし、食事・栄養に留意することの積み重ねで初めて効果が現れる。最低限6ヶ月の期間が必要だろう。
最近は、高齢者のフレイル(虚弱状態)・寝たきり予防のためにしっかり運動をと呼びかけられているが、ふるえ〜る(振動)で、フレイル予防どころか転倒して大ケガをしては、元も子もなくなってしまう。「急(せ)いてはことを仕損ずる」ことを知って、用心し、まずは、日頃からしっかりからだを動かすことを意識することが大切だ。
(2020/10/06)