Dr.ムトーのショート・コラ

 

 

♯13『日本転倒予防学会20周年』


  11月23日(土)・24日(日)に、佐賀市の多目的施設・SAGAアリーナ(2022年竣工、収容人数8400人)で、日本転倒予防学会 第11回学術集会が行われました(浅見豊子会長  / 佐賀大学医学部付属病院リハビリテーション科診療教授)。本学会の前身の転倒予防医学研究会が2004年に発足し、2014年に日本転倒予防学会に発展。2022年に一般社団法人化して、ちょうど20周年の記念大会です。全国から多彩な職種・専門性を有した参加者が集い、アカデミックでアットホームな雰囲気は、研究会時代から変わらず、面白いひと時を過ごしました。

 研究会の世話人代表を10年、学会の初代理事長を8年務め、現在は名誉会員として、この皆で大切に育ててきた学会に色々な形で参画しています。「この学会の功績・効果は何ですか?」と尋ねられたら、迷わず「数えきれないほど数多くの出会いを生み出したこと」と、答えています。研究会設立の基盤となった旧・東京厚生年金病院(現・JCHO東京新宿メディカルセンター)で立ち上げ、12年間多職種連携で運営した「転倒予防教室」の実績と臨床データそしてヒューマンネットワークの経験が、研究会と学会の運営の礎となっています。その後の毎年の研究集会と学術集会の開催を通して、全国各地の人々との連携協力・友好関係が着実に構築され、今に至っています。

 私の座右の銘「人生は縁と運、そして恩」の言葉は、主にこの学会の歴史の中から、自然に生み出されたといって過言ではありません。

 2025年は群馬県高崎市で、2026年は名古屋市で、2027年は金沢市で学術集会が開催されます。それを楽しみに、またコツコツ転倒予防の活動を続けていこうと、帰路の機内で考えていました。

第11回学術集会

ランチョンセミナー1「認知症と転倒予防」の座長を務める武藤芳照所長

 

 


執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
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