2024.10.03
- Dr.ムトーのショート・コラム
- 2024.10.03
Dr.ムトーのショート・コラム
♯12『川中美幸さんの腰の骨折と帯』
女性演歌歌手の川中美幸さん(68歳)が、9月のテレビ番組で、昨年自宅で落下して「腰の骨折」をきたしていたことを告白して、話題になっています。
レースのカーテンを洗おうと思って、脚立代わりに電子ピアノのイスと本体に足をかけてバランスを崩し、墜落(高い所から体が床面に接触しないで落ちるのは、「墜落」)して、下から3つ目の腰の突起を骨折したようです。「腰椎横突起骨折」と推察されます。神経障害はなく、局所の安静のみで復帰したとのことですが、役に立ったのが着物の帯でした。腰のコルセットの代わりに、腰を安定させると共に、日常生活で無理なく活動でき、痛みを防ぐ役割をしたものと思います。演歌歌手ならではの強みでした。男性ですと、コルセットの代用として、サラシをしっかり巻くことを勧めることもあります。
かつて(2015年)、同じく着物姿の歌手の五月みどりさん(当時75歳)が、自宅で滑って転んで第12胸椎圧迫骨折をきたした時も、仕事に復帰後、着物の帯で強く締め付けると固定力が増して、「体が楽になる」と述べていました<下記書籍参照>。
『二輪草』などの大ヒット曲で、夫婦の絆と愛を唄い続けている川中さん、「いきてゆくのがつらい日は お前と酒があればいい」(『ふたり酒』、たかたかし作詞、弦 哲也作曲、1980年)の中に、「帯」の一文字も加えた方が良いかもしれませんね。
参考:
武藤芳照著『あの人も転んだ この人も転んだー転倒噺と予防川柳―』三恵社、2021年
執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
詳しいプロフィール
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