- 著作を語る
- 2022.09.15
<武藤所長 著作を語る>
第46作『転倒予防教室 ―転倒予防への医学的対応―』(第2版) 日本医事新報社、2002年
・編集:武藤芳照、黒柳律雄、上野勝則、太田美穂
・発行:日本医事新報社
・発行:2002年
・サイズ:B5判・332p
・ISBN:978-4784961726
本書の初版(1999年12月1日刊)の骨格を保ちつつ、実践活動と学術研究の最新の知見とを加えて構成したもので、わずか3年で新版を上梓できるだけの強固なチームワークの賜物であった。
「序」には、初版と同様に、「コ・ロ・バ・ナ・イ」の頭文字を並べた文章を記した。
「コ」う(高)齢者の転倒、骨折……
「ロ」ーマは一日にしてならず……
「バ」ランスを保つことが……
「ナ」ニ(何)か特別な形、方法、内容……
「イ」チ(1)日転倒予防教室……
目次・構成も広がり、ページ数も初版の192ページから332ページへと大幅に増大した(1.8倍)。
《目次》
Ⅰ 転倒予防の医学的基礎
Ⅱ 転倒予防の科学的基礎
Ⅲ 転倒予防教室
Ⅳ 教育・普及活動
Ⅴ 資料
執筆・執筆協力者も「転倒予防教室」の中核である、東京厚生年金病院(現 JCHO/東京新宿メディカルセンター)、東京大学大学院身体教育学講座、身体教育医学研究所をはじめ、大学、医療機関等、多岐にわたる組織の方々に加わっていただいた。
とりわけ、「Ⅳ 教育・普及活動」で掲載した「各地の事例」には、広島市、岐阜県郡上郡高鷲村(現在、岐阜県郡上市)、高知市、福岡県春日市、札幌市、愛知県大府市、岩手県紫波町、富山県氷見市、新潟県豊栄市、宮崎県延岡市の実践活動が紹介されており、転倒予防事業の全国的展開の一端を示している。
本書は、「転倒予防教室」の企画・形成から実践、学術研究と教育・啓発活動の積み重ね、ヒューマン・ネットワークの拡大等の成果が凝縮されており、その後、転倒予防医学研究会(2004年設立)、日本転倒予防学会(2014年発足)から一般社団法人 日本転倒予防学会(2022年法人化)へと組織が発展をする基盤となった。