<武藤所長 著作を語る>

第57作『『新訂 現代身体教育論』放送大学教育振興会 2006年

・編 著:武藤芳照、衞藤 隆山本義春
・発 行:放送大学教育振興会
・サイズ:A5判、206p
・発 刊:2006年5月1日
・ISBN:978-4595126208

 

 

 

 

 本書が誕生するきっかけは、東京大学教育学部の学科である「体育学科」の名称の変遷であった。「体育学科」⇒「体育学健康教育学科」⇒「身体教育学科」(1994〈平成6〉年)に変遷したのに引き続き、大学院の課程名が、「体育学」⇒「体育科学」⇒「身体教育学」に変遷し(1995〈平成7〉年)、大学院講座名と学部の学科名が「身体教育学」で統一され、名実ともに日本初の身体教育学講座として、教育・研究活動が行われるようになり、以来10年あまりを経た時、その講座の教員らが協働して編集・執筆して本書は制作された。

 「身体教育とは、健全な身体形成を図り、健全な身体観とスポーツ観を育み、自分自身の『身体(からだ)を育む』ことに主体的に立ち向かい、実践していく意識と行動力を育成する教育実践の営みである。physical education, Körpererziehungなどの近代西欧語の概念に呼応する言葉である。

その基本理念は、


   からだの理(ことわり)を知る

   からだ、健康、生命の大切さを知る

   からだを動かすことの楽しさと喜びを知る


に集約される。」(本書「まえがき」より)

 このように、冒頭で身体教育の理念を明確に示している。

 本書は、放送大学の大学院教育の教科書として位置付けられ、放送教育を下記の目次・構成の各執筆者が実践しながら、広く社会に身体教育を啓発した重要な記録でもある。

 

目次・構成

身体の教育・発達 衞藤 隆
脳の身体の発達 多賀 厳太郎
身体の調節と健康 山本 義春
身体の記録 北沢 茂
身体の感覚 中島 八十一
身体障害と運動 中澤 公孝
介護予防と高齢者の身体 武藤 芳照
身体の安全教育 柴若 光昭・衞藤 隆
身体性(からだ)の哲学 西平 直
10 心と身体の関わり 熊野 宏明
11 舞踊の中の身体  水村 真由美・衞藤 隆
12 身体技法の古今東西  寒川 恒夫・武藤 芳照
13 地球環境の変化と身体の健康 衞藤 隆
14 ロボットと身体 多賀 厳太郎
15 IT社会と子供の身体の行方  武藤 芳照

 

 

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