- 著作を語る
- 2025.08.20
<武藤所長 著作を語る>
第76作『転倒予防―転ばぬ先の杖と知恵』岩波書店、2012年
・著者:武藤芳照
・発行:岩波書店
・体裁:新書・並製・カバー・202頁
・発刊:2013年6月20日
・通し番号:新赤版 1433
・ISBN:9784004314332
きっかけは、NHKラジオの『ラジオ深夜便』で、転倒予防の話題を数年続けていたことから(担当:河野一宇アンカー)。それを聞いていた岩波新書編集部の永沼浩一氏(現岩波文庫編集長)から東大に連絡をいただいた。「いつかは、岩波新書で出したい」という希望を抱いていたこともあり、喜んでお引き受けした。実は、「いつかはラジオ深夜便に出演したい」と願っていたことが叶って、その番組で長く語ることとなり、この出版の要請につながったもので、誠に有難いことであった。
ただし、丁度2013年3月末で東大を退職する前であったため、種々慌ただしい中、執筆を進め、校正ゲラの対応などは、2013年4月からのオフィスであった日本体育大学の日体大総合研究所で行った。
それまでも転倒予防の本や論文を数多く執筆し、各地での講演やテレビ・新聞等で解説してきたが、「新書」という形態の教養解説書をしたためるのは初めての作業であった。とはいえ、「転倒予防にかかわる数多くの医学的知識・情報や転倒予防教室の経験を、さまざまな社会事象・歴史・文化的エピソード等を織り交ぜながら執筆しつづけるのは、楽しい時間であった。」(「あとがき」より)。
本書は下記のような内容で構成されており、イラストは長年の執筆同志の桐井聖司氏に担当していただいた。
「転倒は命の黄色信号」「ぬ・か・づけ」「バリアア(・)リー」「普段の暮らしが自然な訓練」「転んだら起きればいいや」「人生の転倒予防」「生きる自信と希望がわいてくる」など、以後の社会啓発活動のカギとなる言葉が、随所に集約されている。
第1章 歩くとは
第2章 転ぶとは
第3章 転ばぬ先の杖
第4章 転ばぬ先の知恵
第5章 今どきの転倒事情
終 章 人生七転び八起き
執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
詳しいプロフィール
参考:本書までに出版した「転倒予防」関連書籍に関するコラム
第46作『転倒予防教室 ―転倒予防への医学的対応―(改訂第2版)』
第71作『認知症者の転倒予防とリスクマネジメント―病院・施設・在宅でのケアー』