- 著作を語る
- 2021.12.21
<武藤所長 著作を語る>
#32『中高年のスポーツ医学』南江堂 1997年
・編集:田島直也、武藤芳照、佐野忠弘
・発行:南江堂
・発刊:1997年5月15日
・サイズ:B5判・345P
・ISBN : 978-4524212835
南江堂の『スポーツ医学シリーズ』第1巻の『子どものスポーツ医学』(1987年、♯11)に続く第2巻目の書籍である。
編集には、整形外科:宮崎医科大学・田島直也教授(当時・現宮崎大学名誉教授)と循環器科:東京都職員共済組合青山病院 佐野忠弘院長(当時)に加わっていただき、私がスポーツ医学の立場からの企画・構成と全体の調整を行った。
全執筆者(医師、スポーツ科学研究者、弁護士等)101名という大人数が参画し、下記の6章プラス15のコラムで組み立てられている。
Ⅰ 中高年者のスポーツ指導の科学的基礎
Ⅱ 中高年者のメディカルチェック
Ⅲ 中高年者のスポーツに伴う外傷・障害・疾患
Ⅳ 中高年者のスポーツ事故予防のための医事管理
Ⅴ 中高年者の健康スポーツの実際と医学的注意
Ⅵ 中高年者の疾患予防・治療のための運動プログラムの実際と注意
コラムには、早朝トレーニング、マスターズ・スポーツでのドーピング、老眼、化粧、スポーツ・マッサージ、心の問題等、スポーツ現場における中高年者の様々な課題について、記述されており、今読み返しても面白い。
1997年5月に第1刷発行で、1999年4月には第2刷が発行されたことに示されるように、「本書の編集にあたっては、対象読者をスポーツドクター、各科臨床医、保健婦(現・保健師)、トレーナー、スポーツ指導者、医学部・体育学部学生におき、中高年のスポーツの全貌を把握する体系と辞典的色彩とを兼ね備えた実践的スポーツ医学書を目標とした」(序文より)ことが、その時代に受け入れられた証になったように思う