<武藤所長 著作を語る>

第53作『変形性膝関節症の運動・生活ガイド -運動療法と日常生活の手引き-(第3版)日本医事新報社 2005年


・監修:杉岡洋一(九州大学名誉教授)、「運動器の10年」日本委員会
・編集:黒沢 尚(順天堂大学教授)
     武藤芳照(東京大学大学院教授)
     伊藤晴夫東京厚生年金病院副院長)
・発行:日本医事新報社
・発行日:2005年11月1日
・ISBN:978‐4‐7849‐6102‐3
・サイズ:B5判、116ページ

 

 変形性膝関節症は、中高年の膝関節の障害として最も多く、その苦痛のために悩み、苦しみ、不安な日々を送っている方が少なくない。

 本書の第1版が発刊されたのが1997年3月。それから8年が過ぎた。

 今版では、変形性膝関節症をはじめ、膝関節疾患の診断と治療では、豊富な経験と優れた実績を有しておられる黒澤 尚教授に編者に加わっていただいた。第2版までの編集方針と骨格は保ちつつ、最新の研究成果で得られた科学的根拠に基づく運動療法プログラムや一般社会にあふれる健康情報への対応の仕方などを加えたり、改めたりすることで、よりわかりやすく、より役立つ構成と内容にまとめあげた。34項目のQ&Aの構成により、症状を悪化させないで無理なく継続できる日常生活動作や運動プログラムを解説している。

 折しも、運動器の10年(The Bone and Joint Decade)の運動が2000~2010年の期間、世界各地で繰り広げられていた。その日本組織である「運動器の10年」日本委員会(杉岡洋一委員長、現在の公益財団法人 運動器の健康・日本協会)にも監修に加わっていただいた。その世界運動の一環としても、運動器疾患の代表例の一つである変形性膝関節症に関する予防と教育は極めて重要な意義を有している。

 本書は一言で表わすならば、変形性膝関節症の患者さんのための、生活実感に即した等身大の医学教育書である。

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