- 著作を語る
- 2022.11.24
<武藤所長 著作を語る>
第49作『変形性股関節症の運動・生活ガイド』(第3版)日本医事新報社, 2004年
・監修:杉岡洋一
・編集:岩田 久、武藤芳照、伊藤晴夫
・発行:日本医事新報社
・発行:2004年(第1版1999年、第2版2001年、第3版2004年)
・ISBN-13 : 978-4784961627
・サイズ: B5判・165p
本書は、長年変形性股関節症の治療、運動・生活指導に携わってきた整形外科医、理学療法士、身体教育学研究者、運動指導者らが各々の経験から大切と思われることを分かりやすく書きつづった実践的指導書である。
1999(平成11)年9月10日に第1版を、2001年11月15日に第2版を発刊し、二度の改訂を経て、第1版より5年近くを経て生まれた第3版です。本書が多くの方々に愛され、評価されてきたことに、編集者・執筆者一同、誠に光栄に思うと同時に、感謝の念を新たにしたものである。
「『台所でお勝手仕事をしていて、疲れた時には、常に用意してある高さ10㎝の台に悪い方の足をのせると楽に続けられるのです。ちゃんとこんな細かなことが絵入りで書いてあるんですよネ!』と。右変形性股関節症で長く通院しているTさん。『1回目はサラッと読み流していた箇所が、ちょっとした経験をした後にもう一度読み直してみると、『重い一行』だということが改めてわかったんです』と、両変形性股関節症で最近リハビリテーションに通い始めたHさん。いずれも、本書(第2版)の内容の生活実感とわかりやすさと重要さを理解し評価していただいた嬉しい感想と意見です。」(「第3版 はしがき」より)
変形性股関節症の患者さんの日常生活の中で、自身の努力と工夫で変えられるもの(肥満、筋力低下、過度な身体活動・労働、運動不足・不活動など)と、いかに努力・工夫をしても変えられないもの(年齢、性、遺伝的素因、先天的な身体特性など)がある。まずは、一人ひとりの患者さんの変えられるもの(危険因子)が何かをはっきりさせて、その具体的対策を講じて実践すれば、疼痛を和らげ、運動機能を改善し、日常生活をより快適に過ごすことができる。
自分の脚で好きなところに行き、やりたいことを続け、やるべきことを自分なりにこなしていくことができれば、たとえ、脚に多少の変形などがあっても、「健やかで実りある」、楽しい人生を送ることができる、そうしたメッセージを伝えた書である。