2024.09.25
- 著作を語る
- 2021.06.21
<武藤所長 著作を語る>
#18『運動療法ガイド―正しい運動処方を求めて―』日本医事新報社, 1990
・発刊:1990年
・編著:宮下充正、武藤芳照
・発行:日本医事新報社
・サイズ:B5版
赤色を基調とした表紙の装丁に、上半身裸体の若い男性の筋肉のレリーフ(浮き彫り)を主体にした、医学書らしからぬ斬新で刺激的なデザインが懐かしい。
日本初の本格的な運動処方の実践書として企画され、日本医事新報社の腕利きの女性編集者・阿部尚子さんからの声かけで始まった編集・構成作業だった。
総論では、運動療法に必要な基礎知識として、運動処方の原理と運動に対する身体諸器官の反応について生理学的に解説(肺機能、循環器系機能、腎機能、消化器系機能、ホルモン、骨関節、精神・神経機能、エネルギー需要量等)を施した。次いで各論では、性・年代、各種疾患・障害別に運動療法の実際と注意(子ども、女性、中高年、心疾患児、虚血性心疾患、高血圧症、肥満、高脂血症、糖尿病、気管支喘息、腰痛疾患、側弯症、関節疾患、腎疾患、自閉症、脳性麻痺、精神疾患、妊娠)を解説した。付録には「ストレッチング・筋力強化のための運動」を組み入れ、東京大学の学生らがモデルとなって撮影された写真が活用された。
運動生理学、体育学、スポーツ科学、臨床医学の多彩な専門家36名が、一堂に会して、それぞれに力を注いで制作した書籍である。裏表紙(表4)の右腕の肘を直角に曲げた力こぶの写真は、その編集・執筆に尽力した著者と出版社スタッフらの力の結集を象徴しているようにも思える。
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