- 著作を語る
- 2024.11.28
<武藤所長 著作を語る>
第69作『ここまでできる高齢者の転倒予防 これだけは知っておきたい基礎知識と実践プログラム』日本看護協会出版会 2010年
・総監修:武藤 芳照
・発行:日本看護協会出版会
・サイズ:B5版、184頁
・発刊:2010年9月20日
・ISBN:978-4-8180-1542-5
■太極拳を応用したリズム運動「川の流れのように」DVD付
本書の原型となったのは、日本看護協会出版会刊行の雑誌『コミュニティケア』2005(平成17)年5月臨時増刊号「必ずできる! 高齢者の転倒予防」であり、それを基本として、本書の初版『高齢者指導に役立つ 転倒予防の知識と実践プログラム』(2006年7月刊行)が生まれた。
2004(平成16)4月に発足したばかりの転倒予防医学研究会の世話人を中心とする多職種のメンバーが皆で取り組み、具体的な理論と実践プログラムがまとめられた。
その改訂版の本書は、転倒予防医学研究会の活動実績を基盤にして、「必ずできる」から「ここまでできる」と表現し、できることとできないことをしっかりと仕分けすることとした。
総監修を務めた私の当時の役職は、「転倒予防医学研究会 世話人代表、東京大学大学院教育学研究科 教授/研究科長・学部長」であった。
この当時のロゴは、「転倒予防教室」のキャラクター「スミちゃん」(運動指導担当の高橋〔現 加藤〕美絵さん作)を使っていた。
転倒予防教室キャラクター『スミちゃん』
このキャラクターは、5回の転倒・骨折にもかかわらず「一度も不幸だと思ったことがない」明るい、前向きな姿勢で生きる転倒予防教室の参加者Yさんにちなんで命名された。始めは1本杖を使っていた「七転び八起き」のだるまが、今では杖もいらなくなり、跳ぶこともできる、というイメージをもとに作成された(登録商標 第4752855号)。
■本書の内容
第1章 転倒予防の基礎知識
●高齢者の転倒の結果とその予後
●地域保健事業としての転倒予防
●高齢者の精神・心理特性
●認知症のある高齢者への転倒予防対策
●高齢者の薬物使用と転倒予防
●入院患者の転倒と予防対策
●転倒・転落事故判例から学ぶ 施設で暮らす高齢者の転倒リスクと予防対策 など
第2章 転倒予防のリスク評価と効果的な運動プログラム
●転倒のリスク評価
●家庭内で継続できる基本運動プログラム
●転倒予防に効果的な運動あそび
太極拳を応用した体操・スポンジテニス・リズム運動・水中運動 など
●高齢者ケアとエンターテイメント
第3章 転倒予防事業の実践事例
●産・学・官・民の各種団体/医療施設における転倒予防事業
第4章 転倒を防ぐ! お役立ちグッズ
●パンツおむつ
●ヒッププロテクター
●離床センサー
●杖
●転倒予防かるた
執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
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