- 著者
- 武藤芳照
- サイズ
- 四六判 296ページ
- 価格
- 2,500円+税
- ISBNコード
- 978-4-524-22963-5
- 発売日
- 2021年06月01日
- 出版社
- 株式会社 南江堂
水泳日本チームドクター、日本整形外科スポーツ医学会会長等を歴任した著者が、スポーツ医・スポーツトレーナーを目指す若手に語るスポーツ医学の入門書。水泳をはじめ武道・舞台芸術をも含むスポーツ障害・外傷・事故の予防から、子どもの発達と運動の関係,超高齢社会におけるスポーツ医学の応用としての転倒予防・介護予防、スポーツ・コンプライアンスまで、スポーツ医学の多面的な内容を解説する.著者45年間の実践の集大成。
目次
序章 スポーツ医学の世界へ
1.青春の水しぶき
2.臨床医学へ、そしてスポーツ医学へ
第1章 スポーツ医学の役割とスポーツ思想
1.スポーツ医学の二面性
2.整形外科学の立場
3.先人からのメッセージ
1)からだも心も動かして、健やかで実りある日々を(アリストテレス)
2) 体育・スポーツの本来あるべき姿への是正を目指す(神中正一)
3)祈るならば、健全な身体に健康な精神があれかしと祈るべき(ユベナーリス)
4)スポーツが与える三つの宝(小泉信三)
第2章 予防に勝る治療はない—スポーツ外傷・障害・事故の予防
1.まちがったスポーツの常識・トレーニングを正す
1)ウサギ跳び—百害あって一利なし
2)いわゆる「腹筋運動」(上体起こし運動)
2.重大なスポーツ事故の予防—水泳のスタート動作による頚椎・頚髄損傷
3.疲労骨折
4.スポーツ外傷・障害、重大事故の要因分析と予防対策
5.アスレティック・リハビリテーションと再発予防
1)アスレティック・リハビリテーションとは
2)機能の回復
3)スポーツ・トレーナー(アスレティック・トレーナー)
4)心のリハビリテーション
6.健康のため水を飲もう
1)「運動中に水を飲むな!」は誤り
2)スポーツ中の熱中症による重大事故
3)「健康のため水を飲もう」推進委員会
第3章 現場のためのスポーツ医学の応用
1.水泳の医学
1)水泳の医学的特性
2)泳げる人の「でき水」
3)マスターズ水泳キーワード9
4)日本水泳ドクター会議
2.高地トレーニング
1)高地トレーニングとは
2)GMOアスリーツパーク湯の丸の高地トレーニングプール
3)高地トレーニングの医事管理
3. スポーツ・コンプライアンス教育
1) スポーツ界のひずみ—体罰・暴力・ハラスメント
2)ドーピング
3)スポーツ・コンプライアンス教育振興機構
第4章 新たなスポーツ医学の提唱
1.舞台医学
1)プロローグ/舞台医学の着想(原点)
2)身体表現者の医学
3)舞台上での重大事故
4)舞台医学研究会
5)『舞台医学入門』の書籍発刊
6)舞台医学の展望
2.武道の医学
1)中学校における武道の必修化
2)安全管理のポイント
3)種目ごとの外傷・障害・事故の予防
第5章 学校健診における運動器検診
1.「運動器の10年」世界運動と運動器の健康・日本協会
2.マンガ『運動器のおはなし 大人も知らないからだの本』
3.学校保健安全法施行規則の一部改正
1) 子どもの身体の二極化
2) 国の規則の一行を変えよう!
4.スクール・トレーナー制度の整備
第6章 超高齢社会への医学的対応
1.高齢者の転倒予防
1)骨代謝研究と転倒予防
2)日本初の「転倒予防教室」
3)日本転倒予防学会
2.超高齢社会の姿
1)寿命の延びと子どもの減少
2)医療と要介護・寝たきりの予測
3)高齢労働者の増加
3.介護予防と健康推進事業の意義
1)オールド・パーと天海僧正
2)PPKとNNK
3)介護予防へのスポーツ医学の応用
4.高齢者総合福祉施設(ケアポート)と身体教育医学研究所
1)新しい高齢者総合福祉施設(ケアポート)の構想
2)「ケアポートよしだ」と「ケアポートみまき」における温水プール作り
3)シンクタンクとしての身体教育医学研究所の設立
4)ネットワークによる仮想研究所
第7章 私が歩んだスポーツ医学
1.水泳〜整形外科〜身体教育学
1)水泳チームドクター
2)国際経験
3)身体教育学の視点
2.スポーツ医学の研究会・学会との関わり
1)整形外科スポーツ医学研究会
2)日本整形外科スポーツ医学会
3)日本臨床スポーツ医学会
終章 人生は縁と運…そして恩
[巻末資料] 著作一覧/年譜/コラム/イラスト(挿絵)
コラム一覧
スポーツ医学の多様性―すべてが学び / 岡田知佐子
一人ひとりが自分らしく輝くために―女性のスポーツ医学と医療 / 江夏亜希子
日常生活とスポーツ医学 / 小松泰喜
運動が苦手だったスポーツ医も充実しています / 蔵本理枝子
「得意技」でオンリーワンのトレーナーを目指そう! / 小沢邦彦
精神科のスポーツドクター / 橋口 知
水泳コーチ出身のドクターより / 鈴木 紅
水泳トレーナーの醍醐味 / 木村貞治
スポーツと医学の架け橋を目指して―変わらぬ思い / 渡部厚一
スポーツドクターは温かい / 柴田茂守
ドーピング検査の現場体験からいただいた宝物 / 高杉紳一郎
医剣一如 / 菅 義行
四五年間のスポーツ医としての歩み / 立川厚太郎
スポーツ医学の魅力―初心に帰って / 渡邉幸夫
水中ウォーキングはリハビリテーションにもってこい!/ 半田秀一
後進のトレーナーに伝えたいこと / 加藤知生
競技スポーツ医学から健康増進医学へ / 福島美穂
次世代のスポーツドクターへ―ソフトバンクホークス・チームドクターより / 内田泰彦
カバーデザインについて
オビつきの状態では、若草色のオビからイラストの一部が上にはみ出していますが、オビを外した状態にすると、はみ出していた部分が、別のイラストの一部になっています。
オビつきの状態
オビを外した状態