Dr.ムトーのショート・コラ

 

#26『高市総理の手』


 2月8日(日)の衆議院議員選挙の結果は、今後の日本の体制と行く末を定める重要な岐路となった。新年度予算の審議を外してまでの突然の衆議院解散という奇手が功を奏した形になった。新党の中道は、その奇襲作戦に手が付けられなかった。
筋肉痛のイラスト 選挙期間中、高市早苗総理が、手を痛めたことが話題になった。自身で関節リウマチが持病であることを語っているが、支援者との握手で強く引っ張られたことを契機に手の腫れと痛みをきたしたとのこと。
元々「リウマチ」とは、古代ギリシャ語のrheuma(流れの意味)から来ていて、手ばかりでなく全身に痛みが流れるという病気だ。


シンプルな人間関係のイラスト(棒人間) 選挙期間中に候補者や政党関係者は、どのくらいの数、支援者らと握手を交わすのだろう。しっかり強く握らないと、「お願いします」「分かった、投票する」という意思が伝わらないので、自然にお互いに相手の手を強く握ることになる。多いのは、握手をしすぎて、いわゆる「テニス肘」になるものだ。

 「テニス肘」は、肘の上腕骨の外側の出っ張りの箇所の炎症だ。テニスのバックハンドストロークでの打球の際に、肘を伸ばして手首を上に曲げる動作の反復が原因で起こるスポーツ障害だ。これと同じ動作が選挙に伴う握手で、政治家にとっては、労働災害(職業病)の一つかもしれない。


戦後初めて衆議院で自民党絶対多数の体制となったが、課題山積の日本社会に、どのような妙手を打つかしっかり見守りたい。

 


執筆者:武藤芳照
(東京健康リハビリテーション総合研究所 所長 / 東京大学名誉教授 / 医学博士)
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