- 著作を語る
- 2021.04.19
<武藤所長 著作を語る>
#10 『子どもの健康とたのしい運動』築地書館 1986
著者:武藤 芳照
発行 : 築地書館
発行日 : 1986年6月1日
サイズ:B6
ページ数:157
ISBN-13 : 978-4806745211
本書は、築地書館より発刊した『子どもの成長とスポーツのしかた』(1985年)の姉妹編、続編、実践編とも言うべき書である。1985年11月10日、今NHK大河ドラマ「青天を衝け」で話題の渋沢栄一の出身地・埼玉県深谷市のさくら・さくらんぼ保育園で開かれた第13回「保育大学」(斎藤公子先生主宰)で行った講演と座談をまとめたものである。聴講対象は、保母さんと保護者のお母さんたちであった。
講演の内容がそのまま本になるという形は、それまで経験したことがなく、今読み返してみると、書籍化を前提に、その構成と内容に、随分と準備・工夫をして臨んでいたことが伺われる。
1. スポーツ医学とは 2. 子どものからだと運動 3. 運動のプラス面 4. 運動の不足 ― からだの障害 心のひずみ ― 5. 運動のマイナス面 6. 運動のマイナス面をつくり出しているもの 7. 子どもの健康のための運動 8. 障害をもつ子どもと運動 質問に答える 〈付〉知っておきたい外遊び |
今、同じ目次・構成で書籍を改めて執筆したら、それから35年の思索・知識・情報・経験の蓄積を基盤にして、きっと面白いものができそうである。
表紙には、「子どもの運動は、からだとこころの成長にあわせて内容と量を決め、決して無理をさせてはいけません。たのしく運動することが大事です。健常児の場合はもちろん、本当に運動を必要としている障害児の運動と方法と注意点についても、やさしく解説しました」と記され、要点が簡潔に示されている。
また、付章の「知っておきたい外遊び」では、当時の東京大学教育学部都道府県派遣研究生であった横浜市立中尾小学校 斉藤昇教諭(故人)が全面的に執筆協力していただき、カンけり、なわとび、鬼ごっこなど、外あそびの遊び方が身につく能力を示している。
「あとがきにかえて 現代の子どもとあそび」の最後には、本書執筆の一番のメッセージを記した。「よみがえれ 透明ランナー!」