#05『スポーツ痛5段階解決法 イーベテック』ブックハウス・エイチディ 1984年
(原タイトル『EEVeTeC』)
・著者:ロブ・ロイ・マクレガー / ステファン・Eデベロー共著
・訳編:月刊トレーニング・ジャーナル編集部
・監訳:宮下充正/武藤芳照
・発行 (有)ブックハウス・エイチディ
・A4判 278p
・価格3800円(+税)
・1984年刊
<武藤所長 著作を語る>
「痛みの向こうに勝利あり」の言葉に象徴されるように、様々なスポーツ活動の訓練、トレーニング、稽古には痛みが伴うものだという認識が強い。
もちろん、訓練、トレーニングなどが辛く苦しいもので、時には筋肉や関節に多少の痛みを感じることは珍しいことではない。しかし、見逃したり放置してはいけないスポーツ痛がある。
そうしたスポーツ痛を、要因分析を芯にして、治療、リハビリテーション、予防を図ることは重要だ。
本書の根幹をなすのは、そうしたスポーツ傷害のとらえ方に基づく”EEVeTeC理論“だ。
- Equipment(用具)
- Environment(環境)
- Velocity(速度)
- Technique(技術)
- Conditioning(コンディショニング、身体適応)
の頭文字を並べて作られた言葉と理論だ。
現在起きている痛み、将来起きうる痛みについて、スポーツの現場の状況を冷静に分析して、適切なスポーツ指導やスポーツ実践に導こうとする原作著者の基本姿勢が随所に感じられる。
長年の仲間のスポーツ医(京都市)・立入克敏先生の診療所(たちいり整形外科)のホームページでも推薦していただいている。
これ以後、私がスポーツ傷害、スポーツ事故の発生要因の分析法として提唱してきたのが下記だ。
(1)個の要因(身体的、精神的要因)
(2)方法の要因
(3)環境の要因(自然環境、人工環境)
(4)指導・管理の要因
この原点の一つとなったのが、このEEVeTeC理論だった。