「名は体を表す」と言います。本研究所「東京健康リハビリテーション総合研究所」の名も、その実体と目標、基本理念を表現しています。

 「東京」の言葉は、まさしく東京にこの研究所があることを意味しています。さらにはこの研究所の連携・支援・協力機関である福岡県嘉麻(かま)市にある健康リハビリテーション内田病院、島根県雲南(うんなん)市にある身体教育医学研究所うんなん、長野県東御(とうみ)市にある公益財団法人 身体教育医学研究所、札幌市にあるNPO法人 水と健康スポーツ医学研究所で結ぶ研究ネットワークの拠点として、東京にあることも表しています。

 「健康」の言葉は、からだの健康と共に心の健康をも含め、子どもから高齢者、女性、障害のある人、スポーツ選手、舞台表現者、勤労者等、性・年代を超えてあらゆる分野・領域で人々の心身の健康を目指すことを意味しています。

 「リハビリテーション rehabilitation」の言葉は、単なる機能訓練の意味ではなく、そのラテン語の語源の通り、

Re(再び) + habilis(適した)

再び元の適した状態になること、本来あるべき状態への回復、元々の生活、人生、立場、権利、名誉を回復して、その人らしく生きられるように対応することを意味しています。

 「総合」の言葉は、ある特定の見方や分野・領域、ある特定の手法・技術、アプローチ、ネットワークのみにとらわれず、幅広く多職種連携で一つひとつの課題をとらえて分析し、より良い方向づけを探る姿勢と方針を意味しています。

 「研究所」の言葉は、この施設は診察所や病院ではなく、学校でもなく、事業所でもなく、社会に貢献する実践的研究活動を推進し、その成果を活用して、教育・啓発活動を継続し広げていくという意志を示しています。その活動の中で、様々な人々が連携・協力することを推進し、将来新たな社会として取り組むべき研究課題を見出すことができればという希望が込められています。

 

 本研究所は、平成30(2018)年4月1日に発足したばかりの誠に小さな幼い機関ですが、研究所スタッフと全国の連携・支援・協力機関スタッフの皆さんと手を結び、知恵と力を集め、着実に一歩ずつ前に進んでいきます。

 

平成30年5月
東京健康リハビリテーション総合研究所 所長
東京大学名誉教授、医学博士
武藤芳照